タンパク質の構造と特徴:1- アミノ酸とペプチド結合
栄養学をより深く理解するために、生命の機能と構造に重要なタンパク質について詳しくみていくよ!
今回はアミノ酸とペプチド結合について図を使って解説するよ!
タンパク質(protein)は生命の構造や機能にとって不可欠なものです。タンパク質は生体内で以下のような機能を担っています。
これらのタンパク質は全て、20種類のアミノ酸が様々な組み合わせで連なってできています。たった20種類のアミノ酸から生物の多様な機能や構造がつくられていることはとても不思議ですよね!その謎を解き明かすための手がかりとして、今回はアミノ酸やペプチド結合について勉強していきましょう!
アミノ酸:amino acid
アミノ酸とは、アミノ基(-NH2)とカルボキシ基(-COOH)をもつ有機化合物のことを指します。
アミノ酸の構造を模式的に表したものが、以下の図になります。図では平面で表していますが、実際にはアミノ酸は立体構造をしています。
図のように、炭素を中心に、アミノ基、水素、カルボニル基、側鎖が結合した構造になっています。側鎖はアミノ酸の種類によって異なり、この違いによって20種のアミノ酸が存在します。例えば、側鎖が水素原子である場合、グリシンというアミノ酸になります。
中性水溶液中では、以上のようにアミノ基は水素イオン(プロトン)と結合し、カルボキシ基は水素イオンを解離した状態となっています。つまり、アミノ酸は塩基性基と酸性基の両方をもつ両性電解質であるといえます。すなわち、水に溶けやすい(水溶性)物質であるといえます。
ペプチド結合:peptide bond
アミノ酸は、ペプチド結合という結合によってくっつくことができます。アミノ酸がペプチド結合によって多数繋がっていき、100-数1000ものアミノ酸がつながり、タンパク質となります。また、アミノ酸が二つ結合してできたものをジペプチド、三つ結合したものをトリペプチド、多数繋がったものをポリペプチドと呼びます。
ペプチド結合について、以下の図にまとめました。カルボキシ基とアミノ基から水分子を外し(脱水)CとNが結合することによって、ペプチド結合ができます(縮合)。図はジペプチドを表していますが、タンパク質の場合はペプチド結合がいくつも繋がってできます。ペプチド結合していない両端のことを、それぞれN末端、C末端と呼びます。また、ペプチド結合形成後の側鎖(Rの部分)のことを残基とも呼びます。
まとめ
ポイントを三つにまとめました!
20種類のアミノ酸を色々な組み合わせでつなげることで、色々な機能や構造をもつタンパク質になるんだね!
次回はペプチド結合で繋がった長い鎖がどんな形をつくるのかをみていくよ!