【ダイエット】体脂肪率の変化について
体脂肪率の測定方法
最近の体重計は、家庭用のものでも体脂肪率を測ることができるものが多いです。それを使ってダイエットの管理をしている人も多いと思います。しかし、なぜ体重計に乗るだけで体脂肪率を測ることができるのか不思議に思いませんか?
以下では、なぜ体重計に乗るだけで体脂肪率が測定できるのかを説明していきます!
生体電気インピーダンス法
家庭用の体重計で体脂肪率を測る方法は、「生体電気インピーダンス法」とよばれる方法です。インピーダンスという言葉は聞きなれないかもしれませんが、電気に対する抵抗という意味です。
生体電気インピーダンス法は、体に電気を流し、電気の流れやすさを測定することで、体脂肪を推定するという方法です。
では、なぜ電流の流れにくさ(電気抵抗、インピーダンス)を測ることで、体脂肪率が測定できるのでしょうか?
脂肪と筋肉ではインピーダンス(電気抵抗)が異なる
結論から言うと、インピーダンスを測ることで体脂肪率が測定できるのは、脂肪と筋肉ではインピーダンスが異なるからです。
人間の体は、多くが水分で出来ているということを聞いたことがあると思います。身体のおおよそ60%程度を水分が占めています。しかし、これはあくまで平均であり、組織によってその組成は異なります。
筋肉などでは、約80%が水分ですが、脂肪組織の水分量は20%程度です。体内の水分は電解質を多く含むため、水分が多いほど電気を通しやすくなります。つまり、筋肉と脂肪では水分の割合が違うため、電気抵抗(インピーダンス)が異なるのです!
まとめると、家庭用の体重計は、生体に微弱な電気を流してその抵抗を測定することによって、体脂肪率を推定しているのです。
体脂肪率は水分量の影響を受けやすい
ここまで説明したように、体重計は直接的には電気抵抗を測っていて、電気抵抗は水分の割合によって異なります。なので、体脂肪率は体内の水分量によって誤差が出ることになります。実際に、肌が濡れていたり、脱水状態であったりすると、体重計に表示される体脂肪率は大きく変化します。また、朝と夜では下半身に貯留する水分の割合が異なるため、異なる値を示す可能性が高いです。さらに、手で電極を持って測るタイプなどでは、脇を思いっきり閉めて測ると、電流が流れる道がショートカットされるため体脂肪率が低く出たりします。
このように、家庭用の体重計で測定する体脂肪率には、誤差が出やすい要因が多くあります。
体脂肪率をダイエットの基準として使うには?
体脂肪率は誤差があるからと言って、測る意味がないというわけではありません。体脂肪率をダイエットに活用するためには、以下の点を理解しておくことが重要です。
・測る時間帯や服装、姿勢をある程度揃える。
・1日1日の変化を見るのではなく、長期的な変化の傾向を見る
ということが重要です。
一つ目については、誤差を出来るだけ小さくするための考え方です。例えば、毎日夜お風呂に入る前に服を脱いで測定する、朝起きて朝食前に測定する、などと決めておくとよいでしょう。
二つ目については、体脂肪率はどうしても測定誤差が出てしまうものであり、短期的な変化に一喜一憂しないことです。実際の体脂肪が1日に1,2%も減ることは、基本的には起こりません。なぜなら、体重50kgの人でも2%は1kgにあたり、1kg減らすためには約7200kcalのマイナスが必要だからです。これを一日に消費することは不可能に近いですし、仮にしたとしても脂肪だけが減ることはありません。そもそもの体重変動自体も水分量の変動の影響を大きく受けることも合わせて知っておけば、短期的な体重や体脂肪率の変化に一喜一憂する必要がないことが理解できると思います。
まとめ
体脂肪率は、(体重も)水分量の影響を大きく受けるため、ダイエットを頑張っているのに日によっては思うような数値がでないこともあります。そのことを理解したうえで、自分の体重や体脂肪率と向き合っていくことが大切です。
目先の体重や体脂肪率の変化に捉われず、長期的な(月レベルでの)変化を目安として、目標を立てていきましょう。体重と体脂肪率を日常的に記録することは、ダイエットを成功させるうえで一つの重要なモチベーションになりますが、その変化に悩みすぎず、自分が健康になれているか、鏡を見て体形がどうであるか、をより重要な基準として、ダイエットを進めていくことをおすすめします!