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タンパク質の構造と特徴:2- タンパク質の立体構造

Toriさん
Toriさん

前回の記事では、アミノ酸がペプチド結合によって繋がっていることを説明したね。

今回は、ペプチド結合によって繋がったものがどのようにタンパク質の立体構造を作っているのかを説明するよ。これを勉強すれば、なぜゆで卵が固まるのかが理解できるよ!

タンパク質の立体構造

タンパク質には、一次構造、二次構造、三次構造、四次構造とよばれる構造があります。まず、細かい方から順にみていきましょう。

一次構造:primary structure

前回の記事で説明した、ペプチド結合によってアミノ酸が多数繋がった鎖の構造を、一次構造と呼びます。アミノ酸20種が数100-数1,000個連なるため、これだけでも2100通り以上の異なる組み合わせが考えられます。実際に2100を計算してみるとわかりますが、とてつもなく大きな数です(兆とかのレベルじゃないです笑)。実際に生体内に全ての組み合わせが存在するわけではありませんが、これだけでもタンパク質にはかなりバリエーションがあることがわかると思います。

二次構造:secondary structure

一次構造だと、アミノ酸がたくさん繋がった鎖のようなイメージですね。実際にはこの鎖のような構造がらせん構造をとったり、シート状の構造をとったりしています。らせん構造を、αヘリックス(α-helix)とよび、シート状の構造をβシート(β-sheet)とよびます。これらを合わせて、二次構造とよびます。このように、生体内では一次構造がらせんやシートとして空間に折りたたまれて存在しています。

三次構造:tertiary structure

二次構造がさらに全体として折りたたまれた形をとって、タンパク質全体の形をつくっています。イメージとしては、グミのひもQのようなイメージです。ぐにょぐにょと折りたたまって塊になっているのがタンパク質全体で、ひもを細かくみると実はらせん構造をしている、といったイメージです。このような、タンパク質全体の形を、三次構造とよびます。

四次構造:quaternary structure

三次構造によるタンパク質がいくつか集まった会合状態を、四次構造とよびます。例えば、血液で酸素を運ぶ役割を持つ赤血球のヘモグロビンは、2種類のヘモグロビンタンパク質が2つずつ4分子集まって機能しています。

構造を維持する力

二次構造から四次構造までを総称して、高次構造(higher-order structure)と呼びます。高次構造の維持には、ジスルフィド結合、水素結合、ファンデルワールス力などと呼ばれる力が重要な役割を果たしています。

タンパク質の変性:denaturation

タンパク質の立体構造は、熱、酸、アルカリ、有機溶媒、重金属イオンなどの影響によって破壊されることがあります。これを、タンパク質の変性とよびます。これは、上記のような構造を維持する結合が切断されることによって起こります。タンパク質の変性が起こると、水に溶けにくくなったり、見た目や形状などが変わることがあります。例えば、卵をゆで卵にすると黄身や白身が固まりますよね。あれは、加熱したことによってタンパク質の変性が起こった状態です。また、ヨーグルトがなぜ固まるのかも、タンパク質の変性が関係しています。乳酸菌は牛乳に含まれる乳糖を分解し乳酸を産生します。乳酸は酸であるため、牛乳に含まれるたんぱく質を変性させます。実はタンパク質の変性が、ヨーグルトをつくる仕組みだったのですね。

まとめ

タンパク質の構造について、一枚の図にまとめました。

Toriさん
Toriさん

タンパク質は一次構造から四次構造まで複雑な立体構造をしているんだね。

タンパク質の立体構造と変性について勉強したら、なぜゆで卵やヨーグルトが固まるのかも説明できるようになったね!