筋肉の科学2:筋肉の種類(マクロ)
筋肉といっても、部位や機能、構造によって様々な分類があるんだよ。
今回は、マクロな視点(肉眼で見られるレベル)での筋肉の分類についてみていくよ!
骨格筋と平滑筋と心筋
筋肉と聞くと、外に見える大きな筋肉を思い浮かべると思います。このように、運動や姿勢維持などに関わる筋肉のことを、骨格筋(skeletal muscle)とよびます。実は、人間の体重の4割程度は骨格筋の重量が占めています。筋肉ってそんなにあるんだ!と思いますよね。
しかし、実はそれ以上に筋肉はたくさんあります。
実は、内臓や心臓も筋肉で出来ているのです。
内臓は、消化した食べ物を送り出したりするために、形を変えたり動きます。これには、内臓の筋肉が関わっています。内臓の筋肉は、平滑筋(smooth muscle)といわれる筋肉です。
また、心臓は全身に血液を送るためのポンプの機能を果たしています。心臓が縮んだり広がったりするのは、心臓の筋肉である心筋(cardiac muscle)が収縮と弛緩を繰り返しているからです。
このように、全身には様々な筋肉があり、全て生きていくためになくてはならないものであることがわかりますね。
横紋筋と平滑筋
上記の分類の他に、筋肉の組織的な違いによって筋肉を横紋筋(striated muscle)と平滑筋(smooth muscle)に分類することができます。
筋肉は、ミクロな視点で細かくみると、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントによって構成されています。これらが規則的に並んでいるものを、横紋筋とよび、不規則的に並んでいるものを、平滑筋とよびます。
「ちょっとまって、さっきも平滑筋ってでてきたよね?」
その通りです。
人間の体内では平滑筋は内臓の筋肉のみです。一方、心筋と骨格筋は、横紋筋に分類されます。
それぞれの筋肉の役割から、これらをみていきましょう。
例えば、内臓の一つである胃は、食べ物を食べると何倍の大きさにも広がることができます。胃が広がることができるから、私たちはたくさんのものを一度に食べることができるようになっているのです。このように内臓が広がりやすいのは、平滑筋が様々な方向に広がることができるからです。
また、蠕動運動(ぜんどううんどう)と呼ばれる、体内で消化を促進したり、食物を送り出す動きにも平滑筋は重要な役割を果たしています。
一方、骨格筋や心筋は、運動の方向が決まっており、強い力を出す必要があります。なので、フィラメントが並列に並び、それぞれの力を合算できる横紋筋が適しているといえます。
生物の体は不思議なほどよくできていて面白いですね。
まとめ
内臓も筋肉でできているってことがわかったね!
筋肉って思ったよりたくさんあるんだね。
次回からはよりミクロな視点で筋肉の構造をみていくよ!